AMEDAMA。

しがない大学院生の、感想をつづるためのブログ。

聖域と正義 ーPSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1 罪と罰-

数年ぶりのPSYCHO-PASS新作で、しかも脚本が吉上亮さんで、吉上さんの「別離」が大好きだったので楽しみにしていました!

 

見終わった後は結構すっきりしました。

ちゃんと悪はそれなりの処罰を受けるし、正義はしっかり勝つって感じのお話。

ただ、やっぱり話の複雑さはPSYCHO-PASSならではで、今回はまだわかりやすい方だったんですけど、それでも頭を使いました(笑)でも、何回見ても新しい発見があるのが好きなので、やっぱりこれくらい複雑な方がいいなぁと思いました。

 

まずはお話に関して。

個人的に、朱ちゃんが関わらないっていうのが新鮮で面白かったです。それに、朱ちゃんが関わると、やっぱり朱ちゃんのすごさ、賢さが一番印象に残りやすいんです。けれど、今回は朱ちゃんがいないことで、逆に美佳ちゃんや宜野座さん、六合塚さんの、彼らがなぜ公安で働けているのか、なぜ事件を解決できるのかということを見られた気がしました。彼らもやっぱり聡明で行動力もあるから監視官や執行官に選ばれたのだし、何年も一係として動けているのだなっていうのが本当にまざまざと見せつけられた感じ。ただ、それは本当に心地よくて、一係ってこんなかっこいいんだよ、こんなすごいんだよって公式さんに示してもらったように感じました。

あとは、子どもが出てきたのが新鮮でした。一係は、今まで大人と相対することが多くて、おそらく一番若くて桜霜学園の高校生たち?だから、武弥くんくらい幼い子どもにどのように接するのか、話すのかっていうのがわかって新しい一面を知れた気がします。

それに、夜坂さんみたいな完全に善の潜在犯って今までいなかったんじゃないかな?あそこまで、一係と一般人が共同戦線を張るのも珍しいし、そこで新たに見えてくるキャラクターの一面があったのが良かったです。

 

次はキャラクター。

まずは美佳ちゃん。大人になったね〜!って言うのが第一印象でした。今まではただ噛みついていただけの子が、文句を言いながらも自分のできることを探して、部下に指示を出して…この子もなるべくして監視官になったんだなと思いました。

美佳ちゃんで一番印象に残ったのは、夜坂さんが東京に来た理由を知ったあとのシーン。今まで潜在犯というフィルターを通してしか人を見ていなかった子が、潜在犯に対して額を寄せて笑うようになったのか、と思いました。彼女は、相手が潜在犯でも、相手の中身を見て行動できるようになったんだなと思いました。

あとは、一係の先輩たちがみんなで美佳ちゃんを大切に育てているのが伝わってきて微笑ましかったです(笑)

 

次に宜野座さん。

今回、一緒に行動してたのが女性や子どもたちだったので、背の高さやガタイの良さ、戦闘要員感が際立ってたなと思いました。

あとはやっぱり年長感。お父さんというか、周りを見守っている感じ。周りにやらせたほうがいいなと思うことはやらせるし、逆に周りに危害が及びそうなら真っ先に前に出ていて、本当に後ろから一係を支えているんだなと思いました。

そして、武弥くんと一緒に行動する場面。普段の宜野座さんの口調と全く違って、意図的に子どもに緊張をほどいて安心できるように話していてかっこいい…好き…ってなりました。武弥くんをおぶったときに義手じゃない方の肩でおぶったのも、体温を感じられないことに不安を覚えないようにしたのかなぁ、とか。もしかしたら、彼は征陸さんが自分が小さいときにどうしてくれていたかを思い出して、真似していたのかなと思いました。

あとは戦闘シーン多かった!宜野座さんめちゃめちゃ戦ってた!いや本当に作品を追うごとに強くなりますね。戦闘シーンも本当に細かくて、宜野座さんかっこい!こんなとこもかっこいい!こんなに素敵!っていうのを全身に浴びた気分でした。

それから、ヘリに戻ったシーンで雛河くんが自ら宜野座に心配して話しかけてるのを見て、仲良くなってるー!って嬉しくなりました。宜野座さんのことだから色々教えたりしたんだろうなぁ。

そういえば今回もギノパンチがありましたが、狡噛さんのことは右手で殴ってくれてたのに、敵に対しては容赦なく義手の方で殴る宜野座さんが好きです(笑)

 

最後は六合塚さん。

安定!安心!いつだってぶれない六合塚さん。六合塚さんは敵に捕まっても冷静で、しっかり美佳ちゃんや宜野座さんをサポートして、本当にかっこいい人だなと思いました。あとは本当に頭がいいんだな!って感心しました。

ところで、ふだん分析したりが多いからか目立たないんですが、六合塚さんも相当強いですよね。小説の「About a Girl」で、征陸さんや狡噛さんに護身術はやってたほうがいいって言われたという描写があったんですが、きっとそのことをいつまでも覚えていてくれているのかなと思います。そんな人が先輩にいてくれるから、一係は強い人ばっかりになったのかな(笑)

あとは、宜野座さんがきた瞬間、六合塚さんが頭突きするシーンが、宜野座さんから助けられる前に自分から脱出しにいってて本当に六合塚さんを表しているなと思いました。必要なときは頼るし任せるけど、自分で出来ることは自分でするし、守られるだけでは決して終わらない。女という性があの時代どれほど影響を及ぼしているのかはわかりませんが、性別の概念や固定観念を気にせずに行動する六合塚さんが好きだし、それをよしとする他の男性陣も好きです。

 

以上!今回もとてもおもしろくて、何回も見たくなる作品でした。

Case.2とCase.3も楽しみです!